2022年9月23日(金・祝)函館市民会館・オンラインで実施されました「第8回日本呼吸理学療法学会学術大会」で本学理学療法学科の柳田賴英助教が大会長賞を受賞いたしました。
柳田助教のコメント
本研究は、高齢者で非常に大きな問題となっている誤嚥性肺炎について、入院を要した患者の歩行能力低下に関与する因子を検討したものです。前任地である総合病院聖隷三方原病院との共同研究になります。
近年、入院関連機能障害(Hospitalization-Associated Disability: HAD)といわれる、原疾患によらない入院中の安静臥床が誘因となるADL低下が注目されていますが、高齢化の進行が顕著な日本においてHADは非常に大きな問題となります。今回はHADの中でも、特に歩行能力に着目して検討を行いました。解析の結果、栄養状態や入院前の歩行能力とともに、初回離床までに必要な日数が因子として抽出されました。誤嚥性肺炎入院患者さんが歩行能力を維持するには、いかに早く離床する(ベッドから離れる)かが重要ということです。
本研究の結果は誤嚥性肺炎入院患者のリハビリテーションに寄与すると考えられます。
今後も臨床研究を継続し、一人でも多くの患者さんにエビデンスに則った理学療法を提供できるようにしたいと思います。